05. Berndt Friberg (ベルント・フリーベリ)
瑠璃釉扁平花器
Blue glaze discus shaped vase
W 14.4cm H 11.2cm 1967年製
Gustavsberg G hand Friberg I (1967)
まるで巨大な空飛ぶUFOの様な、大振りな扁平花器。全体に濃く深い瑠璃釉が掛けられ、その上から茶釉が二重掛けされている。釉薬が水が流れる様な表情で現れており、これは焼成時に偶然にできたものと考えられるが、他に類をみない、珍しい作品へと仕上がっている。大きくどっしりとした、大振りなサイズであるが、伸びた口先や胴体の柔らかさ、そして、よく横に開いた胴も美しく、均整のとれた優美な佇まいをしている。まるで抽象絵画の様な珍しい釉薬の景色も相まって、一つのオブジェ作品として完成している。この頃のフリーベリは、ファエンツァ国際陶芸賞で、グランプリを獲り、より新しい方向へと、さらなる模索を続けている作品が多い様にも見受けられる。フリーベリの年代別の作品の雰囲気や特徴は、これを扱った頃には、まだ気づかなかったが、改めて邂逅してみると、彼の葛藤の様なものを感じる。比較的、5年単位で作風が変化しているが、65年に陶芸の頂点を極めた後、晩年に向けて、形の再構築が行われ、そして釉薬も、最新の材料を元に、より新しいものが生み出されていった。