2025 | 12_7 | Sunday
「Dialogues in Form 北欧陶芸とフレンチヴィンテージ」於 Art Salon SCÈNE

師走のお忙しい最中、皆様いかがお過ごしでございましょうか。
ギャラリー北欧器は12月13日(土)から12月26日(金)まで青山にあります招待制のアートサロンSCÈNEさんに於きまして開催される、今年最後の展覧会、「Dialogues in Form 北欧陶芸とフレンチヴィンテージ」に出展をいたします。
今回の展覧会は今までにない新しい試みでございまして、北欧陶芸のWilhelm Kage(ヴィルヘルム・コーゲ)とBerndt Friberg(ベルント・フリーベリ)作品たちが、Charlotte Perriand(シャルロット・ペリアン)、Pierre Chapo(ピエール・シャポ)、Christian Durupt(クリスチャン・デュラプト)、Marcel Gascoin(マルセル・ガスコアン)などのフレンチモダンビンテージの家具たちと取り合わせた空間を構成いたします。
フレンチのセラミックでは、Georges jouve(ジョルジョ・ジュブ)などが大変に有名で、赤や黄、黒色のシリンダーやピッチャーなどがフレンチビンテージ家具とよく取り合わせられておりますが、今回特にベルント・フリーベリのシンプルなフォルムと色がとてもフランスの家具たちに合うのではないかと、私が今から楽しみで仕方がありません。最大級の大ぶりな作品から、ミニチュア作品まで想像を膨らまして構成をしてまいりたいと思っております。おそらく今まで見たことの無い景色が広がっていると思います。歳末のお忙しい最中ではございますが、お時間が許しましたらぜひ、ご高覧をいただければ幸いでございます。
SCÈNEさんは普段は招待制ですが、今回の会期中、木曜日と土日はどなたでもご来場いただけるパブリックデイとなっております。また12日(金)は14時〜18時までご招待制のプレビューがございまして、私も在廊してご説明をさせていただきます。もしプレビューにご来場ご希望のお方がおられましたら、私にご連絡をいただければご案内いたしますので、お申し付けくださいませ。皆様のお越しをお待ち申し上げております。
「Dialogues in Form 北欧陶芸とフレンチヴィンテージ」
Date : 2025年12月13日(土)ー12月26日(金) 12:00 - 18:00 ※ご招待、ご予約制
Closed : 月、火、祝祭日
Publicday : 木、土、日 ※どなたでもご予約なしでお越しいただけます
Venue : SCÈNE 〒107-0062 東京都港区南青山3-15-6 Ripple Square D-B1
Ceramic : Berndt Friberg, Wilhelm Kåge (ギャラリー北欧器) A to Z
Furniture : Andre Sornay, Charlotte Perriand, Christian Durupt, Isamu Kenmochi, Marcel Gascoin, Pierre Chapo, Roger Capron (es quart) A to Z
Preview : 12月12日(金) 14:00 - 18:00




Dialogues in Form 北欧陶芸とフレンチヴィンテージ 展覧会に寄せて
ヴィルヘルム・コーゲ(Wilhelm Kåge. 1889–1960)とベルント・フリーベリ(Berndt Friberg. 1899–1981)は共にスウェーデンに生まれ、北欧デザイン最盛期のミッドセンチュリーに、名工房・グスタフスベリ製陶所で活躍しました。
コーゲは工房で芸術監督を担いながら、アーツ&クラフツ運動の思想のもと、伝統的なデザインと自らの芸術性を両立させた革新的な作品を多数生み出し、北欧モダニズム陶芸のパイオニアとして世界的に高く評価されています。国立美術館にも多数の作品が所蔵され、20世紀スウェーデンを代表するデザイナーの一人です。 一方フリーベリはコーゲに師事した弟子の一人であり、極めて職人的な人物でした。手の痕跡を感じさせないほど卓越した轆轤技術と、独自に探求した繊細な釉薬の調合で知られています。深く鮮やかな色合いと驚くほど薄く端正な形は、当時から現在まで多くのコレクターを魅了し続けています。
私が彼らの作品と出会ったのは、ある友人宅でのことでした。仕事柄海外に行くことの多い友人の家には東西の品が無造作に飾られていて、私はいつも訪れるのを楽しみにしていました。 久々にお邪魔したある日、リビングのキャビネットに深い藍色の器が数点置かれているのに気付きました。3センチほどの小ささながら、夜空のような深い藍色と繊細な形に引き込まれて尋ねたところ、それがフリーベリの作品でした。
しばらく後、SCÈNEディレクターの山本から展覧会を企画してみたらと言ってもらった時、陶磁器が好きな私は今回も陶のある展覧会をしたいと考え、ふとあの日のことを思い出しました。作品の所在を調べる内に、日本で最たるコレクションをお持ちの北欧器さんに行き当たり、展覧会の相談に伺ったのがこの企画の始まりです。
フリーベリ、コーゲらの作品は近年、歴史的価値や造形美に加え、アートと共に飾った時の景色の良さなどにより、アートコレクターの間でも注目が高まっているといいます。
そんな中どうご紹介したらより面白く、新しい魅力を感じていただけるのか?北欧器ディレクターの嶌峰さんにご相談したところ、これまで見たことがない組み合わせとして、フレンチ・ヴィンテージの家具を挙げていただきました。
そうして共にご紹介することとなったのは、Charlotte Perriand、Pierre Chapo、Christian Durupt、Marcel Gascoinらが手がけた家具です。 一見意外性のある組み合わせですが、彼らは地域や背景は異なるものの、どちらも近しい時代に活躍しています。そして実のところ、そのデザイン精神の根底には、モダニズムやアーツ・アンド・クラフツ運動といった流れが少なからず共有されているように思います。 40年代にペリアンが、60年代にコーゲたちが日本を訪れて民藝の思想に触れていたことにもちょっとした縁を感じ、さまざまな要素がふっと整うような感覚を覚えました。
この2つが日本という場所で交わるとき、どんな景色が立ち上がるのか、共に楽しんでいただけたら幸いです。
小澤 茜
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